以前の記事で、「火災保険で補償されるもの・されないもの」についてご紹介しました。
頻繁に利用することは少ない火災保険ですが、毎年支払う必要のある保険料。
今回はその保険料の相場がどれくらいなのか、どのようにして保険料が決まるのか、解説していきたいと思います!
火災保険の相場
まずは火災保険の相場がどれくらいなのか見てみましょう。
福島県で新築住宅を建て、以下の条件で見積もりした場合、各社の保険料がどれくらいになるかシミュレーションしてみます。
見積もり条件
- 新築(2023年4月完成・入居と想定)
- 木造(H構造/非耐火構造)
- 所在地:福島県
- 延床面積:35坪(約115㎡)
- 建物の保険金額:2,000万円
- 家財の保険金額:1,000万円
- 地震保険あり(火災保険の50%)
- 耐震等級3を想定
- 風災、雹災、雪災、水災、水漏れ、盗難、破損、汚損を付帯
- 保険期間5年、免責金額0円
各社見積もりの比較(5年分一括払い)
保険会社 | 保険料(5年分一括) |
東京海上日動 | 301,800円 |
日新火災 | 350,050円 |
セコム損害保険 | 296,420円 |
損保ジャパン | 289,960円 |
あいおいニッセイ同和損保 | 304,170円 |
三井住友海上 | 302,800円 |
※詳細な内容・条件は各社によって異なります。
上記の結果からわかるように、保険期間5年の場合、一括払いだと約29万円~35万円(年払いに換算すると約58,000円~70,000円)程度となります。
保険料はあくまで上記の見積もり条件でシミュレーションした場合であり、地震保険を付けるかどうか、火災保険の補償内容をどこまで含めるかなどによって変わってきます。
火災保険の保険料はどのようにして決まるのか
火災保険の保険料は、各保険会社が独自にそれぞれ決めています。
その際、建物の構造や所在地、築年数など様々な要因で保険料が変わります。
具体的にどのような条件で変わるのか見ていきましょう。
建物の構造
建物が耐火構造であるかどうかで災害への耐性が変わるため、建物の構造は保険料に影響します。
- M構造(コンクリート造のマンションなど):マンションやアパートなどの共同住宅で、柱がコンクリート造の建物
- T構造(耐火構造):一戸建てで、柱がコンクリート造・鉄骨造の建物。または、耐火建築物・準耐火建築物・省令準耐火建物に該当するもの。
- H構造(非耐火構造):一戸建てで、T構造以外の建物。
耐火性能が高いほど保険料が安くなり、M構造<T構造<H構造の順に保険料が高くなっていきます。
延床面積
建物が大きいほど災害時の被害も大きくなります。
そのため、延床面積が大きいほど保険料も高くなります。
所在地
その他の条件が同じでも、河川が近いかどうか、大雪・台風の被害を受けやすい地域かどうかなど、所在地によっても保険料が変わります。
築年数
築年数が古いほど、様々な設備の劣化が起こりやすいため、保険料が高くなります。
耐震性能
地震保険を付ける場合、耐震性能によって保険料が割引されます。
免震構造であるか、耐震等級2または3である場合は保険料が割引されます。
補償内容
補償内容をどれだけ付帯するかによって保険料の金額は変わります。
風災・雹(ひょう)災・雪災 / 水災 / 盗難 / 破損・汚損
など、保険会社によっては自由に補償内容を選ぶことができますので、ご自身の住まいや状況に合った補償内容を選びましょう。
保険期間と支払方法
火災保険の保険期間は、1年から5年まで選択することができます。
2年以上の契約をすると長期割引が適用されて、1年契約の場合よりも保険料が安くなります。
また、保険料を月払いや年払いで支払うよりも、一括で支払った方が保険料が割引されます。
火災保険を選ぶポイント
火災保険は様々な補償内容がありますが、保険料も決して安くはないため、しっかりと考えて選ぶ必要があります。
火災保険を選ぶ際に考えたいポイントは以下のとおりです。
必要な補償内容を選ぶ
補償内容が多いほど、いざというときに安心ですが、その分保険料が高くなってしまいます。
たとえば家の近くに河川が無い場合は「水災」を補償内容から外すなど、住環境や状況に応じて選択することが大切です。
家財補償額を適切に設定する
家財補償額は、家族構成などから一般的な評価額を算出することができますが、家財の数や価格は家庭によって様々です。
家財にそれほどお金をかけていない場合は、家財補償額を低めに設定すると保険料を抑えることができます。
家にある家財がどれくらいの総額になるか、ざっくりと計算してみると良いでしょう。
保険会社を比較する
火災保険を取り扱っている会社は多く存在しますが、会社によって独自の割引制度があったり、補償内容を選べる範囲が異なるなど特徴があります。
ネットで保険会社を比較できるシミュレーションサイトもありますので、活用してみてくださいね。
まとめ
今回は火災保険の相場と、どのようにして保険料が決まるのかについてご紹介しました。
家を建てると必ず加入する火災保険。
保険料も決して安くはないからこそ、中身をしっかり理解して、ご自身に合った保険会社・補償内容を選んでみてくださいね。