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家が建てられない土地があるのを知っていますか?【都市計画区域について】

土地探しの際には何をポイントとして探すのが良いのでしょうか。

各都道府県や市町村には、都市計画法という法律により、「都市計画区域」が定められています。

さらに、都市計画区域は「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けられます。

家を建てられるかどうかは、その土地がどの区域に位置づけられているかによって変わってきます。

土地を持っていればどこでも家を建てられるというわけではないため、これから土地を探す方は理解しておきましょう。

 

都市計画区域とは?

なぜ都市計画区域が定められているのか

都市計画区域とは、都市計画・まちづくりを実施していく区域です。

都市計画区域が定められている理由は、無秩序に街が広がったり、建築物が乱立して自然が壊されたりしないよう、計画的に街を整備していくためです。

都市計画区域は大きく分けて「市街化区域」と「市街化調整区域」に分かれています。

 

市街化区域

市街化区域とは、すでに市街地になっている区域や、おおむね10年以内に計画的に市街地にしていく区域です。

住宅や商業施設、道路や公園などの公共施設が優先的に整備されます。

 

市街化区域の区分

市街化区域は、住居系、商業系、工業系という土地の用途によってさらに13の区分(用途地域)に分けられます。

区分 どのような場所か
第一種低層住居専用地域 低層住宅のための地域です。小規模なお店や事務所をかねた住宅や、小中学校などが建てられます。
第二種低層住居専用地域 主に低層住宅のための地域です。小中学校などのほか、150㎡までの一定のお店などが建てられます。
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域です。
病院、大学、500㎡までの一定のお店などが建てられます。
第二種中高層住居専用地域 主に中高層住宅のための地域です。病院、大学などのほか、1,500㎡までの一定のお店や事務所など必要な利便施設が建てられます。
第一種住居地域 住居の環境を守るための地域です。
3,000㎡までの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。
第二種住居地域 主に住居の環境を守るための地域です。
店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てられます。
準住居地域 道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。
近隣商業地域 まわりの住民が日用品の買物などをするための地域です。
住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられます。
商業地域 銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。
住宅や小規模の工場も建てられます。
準工業地域 主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。
危険性、環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられます。
工業地域 どんな工場でも建てられる地域です。住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。
工業専用地域 工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。

出典:国土交通省「みんなで進めるまちづくりの話」

これらの区分の中でも住宅が建てられり地域と建てられない地域があったり、地域によって建ぺい率や容積率が違ったりするので、希望する土地がどの地域に分類されているか確認してみましょう。

それぞれの地域の都市計画区域は、各自治体のホームページで確認することができます。

 

市街化調整区域

市街化調整区域とは、農地や緑地の保全が優先され、都市化を抑制していく区域です。

農家の住宅や開発許可を受けたもの、既存宅地等以外は認めらておらず、原則として住宅や商業施設などを建築することはできません。

 

市街化調整区域の特徴

・市街化を抑制する区域なので、商業施設や交通量が少なく、静かな環境

・商業施設との距離が遠く、不便となる可能性

・インフラ整備が必要な場所も多い

 

市街化調整区域に家を建てたいときは

市街化調整区域では原則として住宅の建築はできませんが、「宅地利用が認められている土地の上に建てる」「開発許可が不要な建物を建てる」など、一定の条件を満たせば住宅の建築は可能です。

ただし複雑な条件も多いため、実際に建てられるかどうかは専門知識を有するハウスメーカーや建築事務所などに相談してみましょう。

 

まとめ

家を建てる土地を探す際、その土地に家を建てられるかどうかを判断する材料の一つになるのが都市計画区域です。

・都市計画区域は「市街化区域」と「市街化調整区域」に分かれている

・「市街化区域」は住宅や商業施設などが整備される区域で、さらに13の用途地域に分けられる

・「市街化調整区域」は都市化を抑制していく区域で、原則として住宅の建築はできない(一部例外あり)

都市計画区域を理解し、住みたい土地がどのような地域に区分されるか確認してみましょう。

 

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