寒い冬の朝、部屋の窓などに発生する結露。
何も対策をせずにそのまま放置しておくと、家が傷む原因につながりかねません。
結露に強い家づくりを実現するにはどのような対策を取るべきなのかについて、解説していきます。
結露はなぜおこるのか?
結露には、表面結露と内部結露というものがあります。
その、表面結露と内部結露とはどのようなものでどのようにできるものなのでしょう。
表面結露
冬の朝に、窓ガラス一面に付いている結露のことです。
冬は特に家の中は暖房で室温が高くなっています。
一方、外の気温は低くガラスやサッシは冷えています。
そこに、暖められた水蒸気を含んだ空気が触れ、水滴に変わったものです。
外気温と室温の差が大きいとより結露します。
内部結露
壁の中で起こる結露です。
水蒸気は湿度の低い方に移動します。
室内より乾燥している外気に向かう途中、壁の中で温度が下がり結露します。
結露はどんな悪影響を及ぼすの?
表面結露を放っておくと
カビの発生や木材の腐朽、金属の錆などを発生させる
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カビを食べるダニが増える
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カビの胞子やダニの糞などがアレルギー症状などの健康被害を引き起こす
内部結露を放っておくと
断熱材が水分を含む
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水分の重さで断熱材が垂れ下がってしまう
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断熱材の機能が低下してしまう
腐朽菌が発生
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壁内の柱や土台を腐らせてしまう
結露を防止するために家づくりでできること
結露しにくい家作り
断熱・気密の技術が進化している現代では、結露しにくい家作りが可能です。
- 窓と外壁、屋根の断熱・気密性能をあげ温度差の少ない環境をつくること。
- 水蒸気を通さない防湿フィルムを壁内(室内側)に張る。
- 窓を考える(窓の進化)
アルミフレーム + 単板 (現在も既存住宅の多くがこの窓)
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アルミフレーム + 複合ガラス (2015年頃まで新築で多く使用されている窓)
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樹脂フレーム + Low-Eガラス複層ガラス 【最新】
※「Low-Eガラス」とは、ガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜(酸化錫や銀)をコーティングしたガラスのことで、複層ガラスへ主に用いられています。
結露を減らす生活の仕方
結露を防ぐ秘訣は結露のもととなる水蒸気をなるべく出さないこと。
ところが炊事や入浴、ストーブや人の体からも水蒸気は出てきます。
これに対して、現在の住まいは気密性が高まり、室内で発生した水蒸気が、屋外へ逃げにくくなっています。
自由に建物の中を移動する水蒸気は、温度の低いところを見つけて結露をおこします。
このように人の生活が原因でおこる「生活結露」は 生活の仕方で減らしていきましょう。
- 室内の換気
- 瞬間的に大量の水蒸気が発生する炊事や入浴時、やむをえず洗濯物を室内に干す時には、必ず個別の換気扇をまわす。
- 押入れの中も結露しやすい場所。 わずかな空気の流れでも結露を防ぐ効果があり、 結露が発生しやすい場所では空気の流れをつくることも有効。
- 家具などの裏に結露させないように配置する。
まとめ
結露は室内外の温度差や普段の生活で発生します。
また断熱・気密・通気の不足が原因とも考えられます。
放っておくとカビや腐朽が発生し、ダニも増えシックハウス症候群など、
家だけでなく人の身体にも悪影響を及ぼしかねません。
家づくりに置いて結露を呼ばない家作りの対策は必要不可欠です。
一生に何回も家を建てるということは稀でしょう。
長く過ごす場所です、間取りや外観を考えることはもちろんですが、
結露や腐朽は家にとっては不健康とも言えます。
見た目だけでなく、機能性もしっかり考えて
健康な家づくりをしていくのも大事なのではないでしょうか?