福島県郡山市で戸建て住宅リノベーションの設計・施工を行いました。
このリノベーションで目指したのは、住まいの印象を大きく変えることではなく、日々の暮らしを少しずつ整えていくことでした。
既存の建物が持つ空気感を活かしながら、家族の動きや過ごし方に合わせて動線を見直し、必要な場所に余白をつくる。
好きな素材や色合いに囲まれながら、毎日の時間を心地よく過ごせるよう、ひとつひとつの場所を丁寧に設計しました。
お子さんたちがまだ小さい今だけでなく、これから成長していく時間まで見据え、家族の変化を受け止められる住まいを目指しています。
家の中にいくつかの余白をつくることで、暮らしながら使い方が育っていく。
そんなリノベーションとなりました。



ダイニングキッチン

キッチンの位置自体は大きく変えず、隣接する居室との壁を解体して繋げることで、回遊できる動線を確保しました。
壁付けキッチンの向かいには対面カウンターを設け、料理をしながら家族との時間を過ごせるキッチン空間としています。
R型のカウンターと、R型の開口を組み合わせることで、空間全体にやわらかい印象を持たせました。
キッチン本体にはtoolboxの商品を採用し、キッチンカウンターは奥様のイメージを形にしたものです。好きなものに囲まれながら、家族の気配を感じて暮らせる場所となっています。


廊下

既存の廊下は暗く、狭く感じられる印象がありました。
一般的な木造住宅の廊下幅ではありましたが、今回は収納を解体し、空間を拡張することで、通常の廊下よりも広い一間幅の廊下をつくりました。
面積にすると約7畳分の広さがあり、単なる移動のための通路ではなく、暮らしの中で自由に使える余白のある空間となっています。
お子さんたちの絵を飾るギャラリーのような場所にしたり、好きな小物や家具を置いたりと、家族らしさを表現できる場としても活用できます。
「廊下」という名称から受ける、ただ通り過ぎる場所という印象を少し変え、家の中に生まれたギャラリーのような空間として再構成しました。
また、廊下を広げるにあたり、既存の柱を数本抜いています。そのため、梁の補強や耐力壁の見直しを行い、構造面にも配慮しながら空間を整えています。


玄関
もともとこじんまりとしていた玄関は、廊下の一部へとつなげることで、広がりのある印象へと生まれ変わりました。
玄関スペースを広く確保したことで、お子さんが小さい時期の荷物置き場としてはもちろん、ベビーカーやアウトドア用品、外遊びの道具なども置ける、多目的な場所となっています。
単なる出入り口ではなく、暮らしの準備を受け止める余白のある玄関です。

和室

もともと二間続きだった和室は、中央に壁を設けることで、2つの居室へとつくり替えました。
ひとつはリビングに併設する和室、もうひとつは寝室空間として計画しています。
畳の空間は、来客時の寝る場所として使ったり、お子さんたちが遊ぶ場所になったりと、暮らしに合わせて多目的に使える余白のある空間です。

リビング
リビングには和室が隣接し、子供の遊び場や客間として利用されます。
完全な仕切りは設けずに、格子のルーバーを造作することでリビングとのゆるやかなつながりを演出しています。
廊下とつながる建具はネイビーのアクセントカラーとなっており、廊下の床材と同色としています。
住宅感を和らげ、日常の中の高揚感を演出するポイントとして設計しました。


Data
- 構造木造2階建て
- 間取り4LDK
- 敷地面積228㎡
- 建築面積83.6㎡
- 延床面積125㎡
- 竣工20206年6月
- 設計アーキトリップ/桑名翔太+坂本里枝
- 施工株式会社アーキトリップ