「理想の家」を実現することができる注文住宅ですが、その実現のためには、
建築を担当してくれる会社や担当者に、あなたの希望や要望を伝えなくてはいけません。
実際に注文住宅を建てる場合、どんなことを伝え、何を準備していたら良いのでしょうか?
今回は設計事務所でつくる住宅における「打ち合わせ」について、解説します。
設計事務所での打ち合わせ
打ち合わせは、
- 工事着工前で平均5〜10回 3ヶ月から半年かかります。(2〜3週間の間隔で行う)
- 建築中は4回〜8回(現場でのご案内もふくめ)
- 完成後(引き渡し前後)1、2回
強いこだわりを持ってる人ほど回数が多い傾向にあります。
その分時間もかかりますので、余裕を持って計画しましょう。
打ち合わせの期間と内容
注文住宅の打ち合わせは、工事着工前(一番回数が多くなるのは、やはりこの着工前の打ち合わせでしょう。)
そして、建築中、完成後の3つのタイミングで行われることが大半です。
そのタイミングで行われる内容について、整理してみましょう。
工事着工前の打ち合わせ
1.家作りの計画概要
- 資金計画について
- 家族構成や環境などについて
- 入居(引き渡し)の希望日・希望時期を設定する。
2.家族の暮らし方
- 家族の毎日のサイクル
- これまでの生活での不満や不便だったこと
- これまでの生活で大切にしてきたこと
- 目先の数年の生活だけでなく、10年後、20年後どのような生活をしていきたいか
3.デザインイメージ
- いいなぁと思う具体的な憧れのデザイン
- これはないなぁと思う具体的なNGのデザイン
4.部屋の要望
- 間取りを決める
- 内装の設備や資材選び
- 外装の設備や資材選び
5.敷地利用や屋外の要望
- すでに土地が決まっているなら、どんな街で、周辺環境はどんな感じか
- 所有車があれば、種類や台数
6.家のつくりに関する要望
- 構造(耐震など)や断熱、使いたい素材や設備などの希望
- 最もこだわりたい部分など
7.新居でも使う家具や家財
- 家具家電を新しく購入するかどうかetc
建築中の打ち合わせ
- 図面通りになってるかの確認や、計画通り進んでいるか等の確認(建築現場で行うこともある)
- ケースによっては壁紙やカーテンなどを決めることもある。
完成後(引き渡し前後)の打ち合わせ
- 支払いや最終的な確認事項について
- 外構工事など(ケースによっては、建築中や完成後の打ち合わせとなる)
準備しておくと、理想が伝わりやすいもの
- 予算の上限を意識しておく(段階的に、基本的な想定し膨れた場合でもこれくらいの予算まで、と設定しておく)
- 家族構成(年齢・仕事・趣味など)をリストにする
- 最低限必要な部屋があれば、その広さや使用目的などを明確に伝えられるようにしておく
- 土地が決まっていれば、敷地の所在地の住所、それから測量図があれば必ず持参
- 部屋の配置など希望があれば、具体的に敷地の図を描いてみたり、簡単なスケッチを用意すると分かりやすい
- 現在使用している家具、家電で引き続き使用する物の(サイズ)リストを作っておく
- モデルハウスを利用して、サイズ感を養っておく
- イメージデザインの画像、スマホのスクショまたそのプリント
- 可能であれば雑誌などの書籍の切り抜きやコピーなどをまとめておく
- 間取りの後悔についてのブログをチェックする
- 打ち合わせの履歴が残せるようにファイルやノートも用意しておく
要望を伝える重要性
- 理想の家のイメージがはっきりする
- イメージが明確だと、こだわるポイントの優先順位がはっきりする
- 優先順位が決まると実際にかかる費用がより明確になる
- 費用がわかれば予算の上限がキッチリ決まる
- 予算の上限が決まると、間取りの設計、資材や設備選びに迷うことが少なくなる
- 迷いが少なくなれば、途中で気が変わることも少なくなるので、予算オーバーも防げる
まとめ
家を建てるための打ち合わせには、大変時間がかかります。
1回の打ち合わせにかかる時間も、建てる家の内容によってまちまちになりますが、
ほとんどの場合1〜3時間程度で、かなり長時間になります。
基本設計時は3〜4週間に一度、実施設計時は2〜3週間に一度、工事中は2週間に一度のペースが基本になります。
非常に骨の折れる作業ですが、きちんと打ち合わせしておけば、後々の後悔や予算オーバーも防げます。
たくさんの情報が得られる時代です。
これは予算に合わないかな?雑誌やSNSで見た写真を見せたら失礼かな?と思うかもしれません。
いえいえ、全然そんなことはありません。
とても高い買い物です、長く使うものです。
ひとつでも言い残しがない、悔いのない家つくりのためにも、要望は全て伝えておくべきです。
言いたいことは必ず伝わるまで、遠慮せずしつこいぐらい言うようにしましょう。
その上で、「これはできるけれど、この希望と両立させるのは難しい」「この希望はこういうプランで叶えてみませんか」
など、建築家の判断やアドバイスに耳を傾けましょう。
打ち合わせでは、自分たちがどんな家を望んでいるのか、どんな暮らしをしたいのか、
建築家に汲み取ってもらう事こそ、理想の家づくりの最初の一歩になるのです。