「断熱材を入れているはずなのに寒いな・・・」と感じることはありませんか?
その原因「窓」にあるかもしれません。「窓」は断熱性の弱点になる部分なのです。
本記事では、窓サッシで住まいの断熱性がどのくらい変わるのか詳しくみていきます。
窓が断熱性にどう影響しているの?
窓の断熱性能が低いと以下のような事態が起こり得ます。
- 冬は寒くて夏は暑くて快適に過ごせない
- ヒートショックのリスクを高める
- 電気代や光熱費が高くなる
- 結露やカビ、ダニが発生しやすくなる
「窓」は住宅で一番熱の出入りが多い場所です。
例えば、暖房で暖めた約6割の熱が窓から逃げていくといわれています。
つまり住宅の断熱性能は「窓」が「カギ」なのです。
窓の断熱性を強化することは、住宅全体の断熱性能を高めることにもつながります。
アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシを比べてみましょう
1、窓断熱のサッシにはどんな種類があるの?
窓サッシとは、ガラスとガラスを取り囲む枠のことをいいます。サッシは主に以下4つの種類に分けることができます。
- アルミサッシ
- 樹脂サッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- 木製サッシ
一昔前にはアルミサッシが多く使われていましたが、結露の原因になるため最近は少なくなってきました。
そこで使われるようになったサッシが、アルミ樹脂複合サッシです。
今回は近年最もスタンダードなアルミ樹脂複合サッシと、非常に断熱性が優れている樹脂サッシを比較してみましょう。
2、アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシ
アルミ樹脂複合サッシの特徴
複合サッシとは、複数の素材の良いところを活かしたサッシのことで、アルミと樹脂を複合したサッシを「アルミ樹脂複合サッシ」といいます。
室内には樹脂を用いて断熱性を高め、室外には強度の高いアルミを使用しています。
<メリット>
- 断熱性だけではなく、耐久性・防火性・防サビ効果もある
- 結露しにくい
<デメリット>
- 1つの素材でなるサッシ(樹脂サッシや木製サッシ)よりも性能が低くなる
- 価格が高めになってしまう
樹脂サッシの特徴
樹脂サッシは、フライパンの取っ手部分にも使用されている、塩化ビニール樹脂でできているサッシのことです。
断熱性能が高いことから北海道や東北で導入されています。樹脂サッシの高い断熱性能は、カビやダニの繁殖を抑えることにも繋がっています。
<メリット>
- 断熱性や気密性が高い
- 防音性が高い
- 腐食やさびに強い
<デメリット>
- 強度が弱くそれを厚さで補うため重い
- 劣化が早い
- 紫外線に弱い
樹脂サッシは腐りにくく簡単に加工することが可能なため、デザインやカラーの種類が豊富にあります。そのため住宅に合った美しい窓を演出することが可能です。
窓ガラスの種類を比べてみましょう
住宅に用いられる以下4種類の窓ガラスを比べてみましょう。
- 単板ガラス (断熱性低い)
- 複層ガラス
- トリプルガラス
- 5枚ガラス (断熱性高い)
1、 単板ガラス
単板のガラスは、住宅で一般的に使われている1枚ガラスのことです。
ガラスの中では最も断熱性能が低く、最も安いガラスになります。
製品やメーカーによって差はありますが、単板ガラスの厚さは3㎜が基本的な厚さになっています。
2、複数ガラス(ペアガラス)
複層ガラスは、2枚のガラスで空気層を密封させた窓ガラスです。内部の空気層が断熱効果を高めています。6㎜~12㎜の空気層が一般的です。
費用面も断熱性能が高くなればなるほど高くなります。
3、トリプルガラス
ガラスを3枚使用して2つの空気層を持つ窓ガラスです。複数ガラスよりも空気層が2つあるため断 熱性能が高くなります。
トリプルガラスは寒冷地域とされる北海道や東北地方で用いられるようになってきました。
4、5枚ガラス
5枚ガラスは5枚のガラスを使用して3つの空気層を持つ窓ガラスです。
空気層の数が多いため、当然にペアガラスやトリプルガラスよりも断熱性に優れています。
トリプルガラスと同様に寒冷地域で多く採用されていますが、一般的な窓ガラスよりかは、まだオプション的な位置づけです。5枚ガラスは断熱性のある窓の中で、最上位の断熱性能を誇ります。
サッシメーカーの具体例
メーカーによって、採用しているサッシに違いがあります。
主要なメーカーが具体的にどんなサッシを取り扱っているのかみていきましょう。
- YKKAP・・・アルミサッシだけではなく、樹脂窓やアルミ樹脂複合サッシも採用 アルミサッシの大手メーカーです。
- エクセルシャノン・・・樹脂サッシを採用
- LIXIL・・・アルミ樹脂複合サッシを採用
- TAMIYA(タミヤ)・・・木製サッシを採用
サッシの断熱性を向上させたときのメリット・デメリット
サッシの断熱性能を高めることで、以下のメリットやデメリットが生じます。
メリット
- 夏は涼しく冬は暖かく年中快適な家が実現する
- 快適な温度を保つことで電気代を節約できる
- 腐食に強いため長く住むことができる
- 室内の温度差がほとんど生じないためヒートショックを抑制できる
デメリット
- 空気が乾燥しやすくなる
- 臭いがこもりやすくなる
- 息苦しさや閉塞感を感じる可能性がある
デメリットになる部分も他の策を取ることで、解決することがあります。専門家に相談しながら快適な住まいをつくっていきましょう。
まとめ
住宅の断熱性を高めることで、カビ・ダニ対策や省エネ対策、長寿住宅につながり、
今だけではなく未来の暮らしも豊かにすることができるのです。
その断熱性は「窓」で決まるといっても過言ではありません。
疎かにせず、慎重に自分の住まいに最適な断熱性を考えていきましょう。