近年土間が再注目されています。
昔から日本住宅に取り入れられてきた土間ですが、時代の流れとともに西洋文化が流行りだし、土間のある家は減少していきました。
しかし最近、再び土間を採用する住宅が増えています。
本記事では、土間の活用方法を紹介しつつ、土間を取り入れる前に知っておきたいメリットやデメリットについても説明していきます。
土間ってどんな空間?【昔から比べると進化した土間空間】
土間とは、屋内で床を張らず土足で歩けるスペースのことです。
日本住宅の象徴として昔から存在している空間です。
玄関と居室の間に土間が設けられ、昔は通路や作業場、炊事場として使用されていました。
一方で近年は、土間にダイニングテーブルを置いたダイニングルームとして使用したり、
収納やパントリーとして利用したり、使い方が多様化しています。
具体的にどのように活用されているのかみていきましょう。
土間の活用事例ってどんなのがあるの?
- 玄関に活用する
- 収納スペースとして活用する
- ダイニング・リビングルームに活用する
- 趣味スペースとして活用する
- 通り土間として活用する
1、玄関に活用する 【家の中に置きづらいものを玄関土間で保管】
土間の床は土足で歩けるとともに、掃除が簡単であることも特徴です。
汚しても水洗いすることができ、濡れてもすぐに乾燥します。
その特徴を生かして、室内に置くことも外に置くことも躊躇する、汚れの付いた自転車やバイク、ベビーカー、灯油などの保管場所として土間玄関は最適です。
2、収納スペースとして活用する 【忙しい朝は土間クローゼットで時短】
土間玄関の延長線上にクローゼットを設けることで、外出する時に必要なものを収納することが出来ます。
例えば、靴やアウターの収納、アウトドア用品の収納、ペットグッズの収納スペースとして使うことができます。
3、ダイニング・リビングルームに活用する【新活用術!ダイニング・リビング土間で家事節約】
最近は、土間空間にダイニングルームやリビングルームをつくるケースも増えています。
土間は掃除が簡単、水に強く燃えにくい素材で出来ているため、水や火を使うキッチンや、汚れがちなダイニングルームに最適なのです。
また、リビングルームを土間にすることで、来客者も靴を脱がず気軽に寛げる特別な空間にもなります。
4、趣味スペースとして活用する【土間で趣味活動】
DIYや陶芸、ガーデニングなど室内で行うには気をつかってしまう趣味も、土間空間があれば気軽に行うことができます。それらで使用する道具類を室内に収納することができるので、盗難防止にもつながります。
また、最近は在宅ワークが増えているため、土間をワークスペースとして活用するケースも増えています。土間にワークスペースを設けることで、居住空間とワークスペースを分けることができ、
崩れがちなワーク・ライフ・バランスを整えることができるようです。
5、通り土間として活用する【土間廊下を使えば土足のまま目的地へ一直線】
通り土間とは、主に玄関から土足のまま入ることが出来る廊下状の土間を意味します。
生活動線を意識して通り土間を取り入れることで、快適な生活が期待できます。
例えば、玄関からキッチンを通り土間にすることで、買い物から帰ってきたら靴を脱がずにそのままキッチンまで荷物を運び入れることが出来ます。
土間スペースのメリット・デメリット
メリット
・土足で利用可能である
土間の最も大きなメリットは、屋内でありながらも土足で使用することが出来ることです。土間空間を上手に取り入れることで、ストレスのない生活動線となります。
・掃除が簡単である
土間はコンクリートやモルタル、タイル等で仕上げるため、掃除が簡単です。
砂汚れや埃はほうきで掃くことができ、こびりついた汚れには、思い切りブラシを使って水洗いすることもできます。家事の節約にもつながります。
・多目的スペースとして利用できる
使用目的が限定されず、多目的スペースとして利用することができるのも土間の魅力です。
趣味のスペースや子供の遊び場、愛犬のスペースなど、住む人の生活に合った使い方で土間空間を楽しむことが出来ます。
デメリット
・冬場は冷える
土間は、コンクリート、タイルや石で仕上げることが多いため、冬場は寒く底冷えする可能性があります。このような時は、床暖房を取り入れることで寒さを対策することが出来ます。
土間コンクリートは熱を蓄える性質があるため、床暖房と併用することで冬場の冷えを解決できます。
・居室スペースが少なくなってしまう可能性がある
特に通り土間を取り入れる際は注意が必要です。通り土間を広くした分、居室スペースが少なくなってしまいがちです。通り土間と居室のバランスを考え取り入れると良いでしょう。
・生活動線が分断される可能性もある
不適切な位置に土間を設けてしまうと、靴を履いたり脱いだりを繰り返すこととなり生活するうえで快適とは言えません。
そのような事態を防ぐためにも生活動線を明確にして、適切な位置に土間を設けることが求められます。
・段差が生じる
土間を取り入れることで、段差が生じます。
土間は居住空間から一段程下がったスペースにつくられます。
高齢の方や小さなお子さんがいる場合は、転んでケガをしないよう注意が必要です。
人生を共にする住まいであるのなら、将来バリアフリーにすることを考えて設計することも大切です。
土間を設計に取り入れる際の注意点
目的や使い道をはっきりさせること
何のために土間を使うのか目的をはっきりさせましょう。その理由は、家全体の間取りにも関係してくるからです。
例えば、収納として土間を使うのなら、自転車のような大きいものを収納するのか、
靴やスポーツグッズのような小さいものを収納したいのか、
「何を土間に収納するのか」を具体的に考え、必要な広さや位置を考慮して設計しなければなりません。
素材をよく吟味して選ぶこと
目的や用途、好みによって使用する素材も変わってきます。
それぞれの特徴を把握して相性の良い素材を選ぶことが大切です。
例えば、コンクリートやモルタルは、丈夫で掃除も簡単ですが、無機質な印象を与えます。
タイルは、たくさんの色や柄があるため選択肢が豊富ですが、汚れが目立ちやすくなります。
まとめ
近年土間はオシャレな空間かつ実用性のあるスペースとして活用されています。
土間の特徴が活かされ幅広く活用されていますが、間違った設計をしてしまうと生活を妨げるものになってしまいます。
土間スペースに興味のある方は、まずは目的・用途を明確にして専門家に相談してみるのもよいでしょう。