見学会の開催
8/31・9/1に見学会を行います。
この雰囲気は写真では伝わりきらないことも多いですので、興味を持っていただけた方はぜひ脚を運んでみてください。
日時:2024年8月31日(土)、9月1日(日) 10時〜15時(各回30分)
※見学会は完全予約制です。
※ご予約いただいた後に、詳細な場所をお知らせします。
古民家改修の記録
福島市のはずれで築150年の古民家の改修に携わり、設計から施工まで自社で行った施工記録をまとめました。
改修内容について
今回手がけた工事については下記になります。
- 母屋の傾きの修繕
- 屋根の改修
- 耐震補強(基礎補強を中心とした)
- 内装の改修
「この古民家を後世に残していくこと」・「同じような所有者に向けた新たな可能性」
これが施主様の想いとしてあり、我々とともにそれを実現すべくプロジェクトがスタートしました。
改修前の様子
母屋の傾きの修繕について
長い歴史の中で地震や災害を乗り越えて建っていたこの建物は、歪みや傾きが目立つような状態でした。
まずは正確な状況を知るために、躯体以外の部分を解体しスケルトン状態にしました。
その後測量した結果、ひどい箇所では8センチ程 柱が沈み、5センチ程倒れていることが確認できました。
まずは柱をジャッキアップし、建物の歪みを解消し、基礎コンクリートで固めることで地盤を補強する工事を行いました。
床の解体後の様子
床を解体すると、土になっており、柱の下は礎石基礎(石の上に乗っているだけ)となっておりました。
ジャッキアップする為に周囲にコンクリートを打設
柱を持ち上げようにも、荷重をかける場所がないので、まずはその柱周りを固めるところから始めました。
全面に砕石を敷き転圧をして、その後支持する場所となるコンクリートを打設します。
柱をジャッキアップする
建築用のジャッキを使用して、一箇所づつ柱を浮かせていきます。
ジャッキを回すたびに、建物のさまざまな箇所で「ミシミシ」と音がなりドキドキの瞬間でした。
浮いた柱に基礎ベースを設置する
ジャッキアップすることで、柱が浮いた状態になります。
その下に束石をセッティングし建物全体のレベルが統一されるように調整していきます。
土間コンクリートを打設する
全面にワイヤーメッシュを敷き、その後150mmほどの厚みで土間コンクリートを打設しました。
これで建物の傾きの修繕が無事に解消されました。
屋根の改修について
改修前は茅葺屋根の上にトタン屋根が葺いてある造りとなっていました。
リフォームを行なったのが40年程前で、塗装のはがれが目立つ状態でした。
今回の改修工事では、トタン屋根を全て撤去した上で下地をやり直し、ガルバリウム鋼板を施工しました。
既存屋根の解体
ところどころ塗装の剥がれが目立つ箇所がありました。トタン屋根を撤去すると、下地の板材と茅葺屋根が姿を現しました。
下地の修繕と葺き替え
下地となる野地板を新たに施工し直し、今までには施工されていなかったルーフィングも敷きました。
その後ガルバリウム鋼板で屋根材を葺き替えました。
屋根の色を施主様も含め何パターンも迷いましたが、今までに近いレッドを選定することで、ここに佇む姿の歴史を繋いでいきたいと考えました。
耐震補強について
築年数の古い物件はどうしても耐震性が不安になります。
特に福島県ではここ数年、大きな地震が続きなお一層その不安がありました。
本工事では、これから先も50年、100年とこの建物が建ち続けられるように耐震補強も行いました。
土間コンクリートの打設と柱・土台の緊結
歪みの修繕でもご説明した通り、以前は柱の下には礎石が設置してある状況でした。
それを今回の工事にて土間コンクリートを打設することに加え、基礎と柱・土台の緊結も行なっていきました。
そうすることで荷重が基礎に流れ、地震や揺れに対し建物が強固になります。
耐震調査
この建物の内部解体をして一番驚いたのは柱の少なさでした。
柱の下部が腐食しているものも多く、一本づつ調査をしていきました。
柱・筋交の配置計画
新たな間取りを計画をする上で、補強となる柱や耐力壁の配置を構造計算から算出しました。
また、柱と梁を金物で緊結することで耐力を高めています。
内装の改修について
内装材の選定については古民家ならではの仕上げも多く採用し、決して新築では味わうことのできない空間となりました。
仕上げについてはまた別の記事にて詳細を記載したいと思います。
見学会の開催
8/31・9/1に見学会を行います。
この雰囲気は写真では伝わりきらないことも多いですので、興味を持っていただけた方はぜひ脚を運んでみてください。
日時:2024年8月31日(土)、9月1日(日) 10時〜15時(各回30分)
※見学会は完全予約制です。
※ご予約いただいた後に、詳細な場所をお知らせします。