「スキップフロア」をご存知ですか？
スキップフロアを有効活用することで、狭い土地でも空間を広く見せることができるのです。
本記事では、スキップフロアのメリットやデメリット、活用事例について詳しく紹介していきます。
スキップフロアってどんなもの？
スキップフロアとは、同じ階層に複数の高さのフロアがある間取りのことで、小上がりといわれることもあります。
スキップフロアの大きな特徴は、空間を横ではなく縦に活用するという点にあります。
壁を使わずに床の高さで空間を仕切っているため、部屋によって天井の高さが変わります。
スキップフロアはどんな住宅に向いているの？
・面積が狭い住宅
・土地が斜面である住宅
・建築方法に制限があるとき
スキップフロアは上記のような住宅に向いています。
取り入れる前に、メリットやデメリットを確認しておきましょう。
スキップフロアを設計にとりいれたときのメリットデメリット
メリット
スキップフロアを設けることで次のようなメリットがあります。
・空間を多種多様に活用できる
・広く開放的に感じる
・日当たり風通しが良好
・収納力がぐんと上がる
・家族とのコミュニケーションがスムーズ
それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
空間を多種多様に活用できる
壁や扉を設けることなく、自然に独立した空間を作ることができるのは魅力的です。
収納スペース、小さいお子さんのプレイルーム、ちょっとした和室スペースなど、生活に合わせて使い分けることが可能です。
最近はリモートワークが増えているため、ワークスペースとして使用する例も増えています。
広く開放的に感じる
フロアに高低差をつくるスキップフロアは、実際の床面積よりも広く開放的に感じます。
このメリットを活かして、狭い面積の住宅や平屋の家にスキップフロアを設けることで、室内に変化が生まれ視覚的に広く見せることができます。
日当たり風通しが良好
スキップフロアの段差や窓の位置を上手く設置することで、日当たりと風通しの良い住まいが期待できます。自然光で包まれる家は誰もが憧れます。
少しでも興味のある方は、設計する時に専門家に相談してみると良いでしょう。
収納力がぐんと上がる
スキップフロアは工夫次第で収納スペースとしても活用することができるのです。
具体的に、段差部分や階段部分に引き出しをつけたり、階段下のスペースなどのデットスペースを活用したりすることで、収納力がぐんと上がります。
階段や段差など思いがけないところに引き出しがあると、小さなお子さんも楽しくお片付けすることができそうですね。
デメリット
スキップフロアを設けることで以下のようなデメリットも生じます。
住宅に取り入れる際は、メリットだけではなくデメリットも把握しておくことが重要です。
・費用面が高くなる
・空調が効きづらい
・バリアフリーとは正反対の住宅である
・遮音性が低い
費用面が高くなる
一般的に、家は複雑になるほど価格が高くなるといわれています。
スキップフロアを設けることで手間や材料も多く必要になります。そのため、スキップフロアのない住宅と比べると当然に費用がかかってしまいます。
また、スキップフロアを取り入れる際は固定資産税に注意が必要です。
固定資産税は、「床面積が多い（広い家）ほど価値が高い」という計算方法をとっています。
スキップフロアは、段差を利用して空間を作るため、スキップフロアのない住宅よりも床面積が広くなるのです。
一般的な住宅よりも固定資産税が高くなることは十分に覚えておきましょう。
空調が効きづらい
スキップフロアを取り入れた間取りは、壁やドアで「しっかり仕切る」ことが少なくなる傾向にあります。
そのため、エアコンの効きが悪くなったり、部屋の温度調整が難しくなったりする可能性があります。
遮音性が低い
スキップフロアは壁が少ないので、広いワンルームのようなものです。そのため遮音性が低く、音が筒抜け状態になる可能性があります。
生活リズムの違う家族間では大きな問題となり得ます。家族の生活を考え適切な判断をしなければなりません。
バリアフリーとは正反対の住宅
スキップフロアは高低差で空間を仕切るため、一般的な住宅よりも段差が多くなります。
足腰が弱い方や年配の方にとって優しいバリアフリー住宅だとはいえません。
また、スキップフロアのある住宅は壁が少ないため、エレベーターの設置が難しくなります。
将来バリアフリー化を視野にいれている方にとっても適しているとは言い難いです。
将来はバリアフリー化を検討している場合は、専門家と相談しながら最適な策を考えていきましょう。
空間の具体例
スキップフロアの使い方は多種多様です。具体的にどんな使い方があるのか例を見ていきましょう。
収納スペース
段差や階段を使用してユニークで実用的な収納スペースをつくることができます。
狭小地でも収納力抜群な住宅が期待できます。
子供部屋
スキップフロアを活用した子供部屋は、子供のプライベートをしっかり確保しつつ、お互いの気配を感じる事ができます。親は子供の存在を確認できるので安心して家事や仕事に取りかかれます。
また、段差で区切られたスキップフロアの子供部屋は「秘密基地」のように感じ、子供にとっても魅力的な空間になることでしょう。
ワークスペース
在宅ワークが増えていることもあり、ワークスペースとしても活用されています。
段差で区切られた空間が、オンとオフを切り替えてくれます。
何にでもなる多目的スペース
決まった空間にせず多目的スペースとして活用する例も多いです。
時には来客用のスペース、時には赤ちゃんのスペース、洗濯物を干すスペース等、その時の状況や家族の形態によって使い方は様々です。
まとめ
スキップフロアを取り入れた住宅はデザイン性もあり、間取りのバリエーションに工夫を凝らす際にも活用でき注文住宅ならではの設計手法のひとつです。
専門的な知識でもあるのでスキップフロアを希望の際は、設計の早い段階から専門家に相談すると良いでしょう。
