注文住宅で家づくりを検討している方にとって、
ハウスメーカーや設計事務所、工務店などの選択肢があると思いますが、そもそもどんな違いがあるのでしょうか？
今回は設計事務所での家づくりを検討する方に向け、ハウスメーカーや工務店との違いやそれぞれの特徴などをご紹介したいと思います。
設計事務所とハウスメーカー・工務店の違いは？
設計事務所とハウスメーカー・工務店の大きな違いのひとつは、設計と施工が別の会社に分かれているという点が挙げられます。
設計事務所では設計業務を専門に行い、施工は他の工務店に依頼することになります。
それに対してハウスメーカー・工務店は設計から施工を一貫して請け負い、家づくりを進行します。
設計事務所の役割は設計と施工監理【設計施工分離方式】
設計事務所は設計完了後、施工会社が建設する住宅が、ちゃんと設計図通りに施工されているか、
必要な検査が行われているかをお客様の代わりとなり、監理する重要な役割を担います。
どっちが良いのか？【設計施工一括方式】と【設計施工分離方式】
それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
設計施工分離方式（設計事務所）
メリット
- Wチェック体制となるので、より安心な家づくりができる
- 設計と施工の癒着や馴れ合いが発生しない
デメリット
- ３者の連絡網になる（施主・設計・施工）ためスピーディーにならない場合がある
- 伝達の行き違いがおこりやすい
設計施工一括方式（ハウスメーカー・工務店）
メリット
- 連携のとれたスピーディーな対応が可能
- 問題が起きた際の責任の所在が明確である
デメリット
- 検査などは自社で行うだけではなく、第三者にまかせる場合がある
それぞれの設計スタンスの特徴
設計事務所：
依頼者の要望をヒアリングし、できるだけ希望を叶えられる自由度が特徴。
法令や予算の範囲内であれば、どんな工法でも可能でデザインや性能に制約のない設計が可能です。
設計事務所での家づくりは「オンリーワン」が基本です。
土地の条件や依頼者のライフスタイル等を紐解き、他の会社では考えつかないようなことを試行錯誤して創り上げていきます。
また、依頼者と設計者の距離が近いため、迷ったらなんでも相談できるのが設計事務所の特徴です。
ハウスメーカー・工務店：
いくつかのパターンの中から依頼者の希望に近いものを選び、修正を加えながら設計をしていくのが特徴。
設計事務所とは違い、施工を自社で行うため、つくりやすさなども設計する上で重要なポイントとなっているようです。
それぞれの費用の違い
ハウスメーカーは坪単価でわかりやすいのに比べ、設計事務所の家づくりはコストがみえづらい？
設計事務所は予算を調整しながら家づくりができる
設計事務所の場合、ヒアリングの際に予算の共有も必ず行います。
ゼロから設計をするので、予算感の共有がとても大切なポイントとなり、それをもとにデザインや性能等をプランニングしていきます。
設計が進んでくると、要望や理想が膨らみがちです。
また使用する材料や住設機器で全体のコストが大きく変動する場合があります。
そんなときに歯止めになるのが【概算見積もり】です。おおよその金額を出し、それをもとに予算調整を行い、仕上材の選定やプランの見直しを行っていくことで、図面が完成した際に大幅なズレがないように調整することが可能となります。
また、設計事務所では決まった仕様がないので、予算の割り振りもハウスメーカーに比べ自由度が高いのが特徴です。
例えば、
「床材を安くしてお風呂にお金をかけよう！」
「お風呂は安価なものでいいから、リビングの内装をこだわろう！」
といったイメージです。
ハウスメーカーの坪単価
住宅展示場には様々なメーカーのモデルハウスがあり、自由に見学することが可能です。
モデルハウスでは坪単価が公開されており、自分が建てたい家のおおよその金額がわかります。
坪80万で40坪の家ですと3200万円くらいと想定が可能です。
また、ハウスメーカーでこだわりを追加していく場合はオプション費用が加算されていく仕組みになっています。
こちらはベースの坪単価には含まれておらず、別途予算を検討することが必要です。
例えば、
「キッチングレートをAにしたら20万追加」
「床を無垢材にしたら30万追加」
といったイメージです。
まとめ
家づくりはどの会社に依頼するかで、設計や施工の手法が変わってきます。
自分に合った会社を探すためにもまずは、それぞれの特徴を理解することが大切です。
設計事務所やハウスメーカーのことを理解した上で、理想の家づくりができるよう学んでいきましょう。
