住宅ローンを返済する中でよく耳にする言葉、「繰り上げ返済」。
繰り上げて返済するから、ローン返済が早く終わる、利息の支払いも減る・・・そんな漠然としたイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、繰り上げ返済は、タイミングや選び方で効果が変わってきます。
繰り上げ返済とは
繰り上げ返済は、毎月の返済とは別に、前倒しで住宅ローンの元金の一部または全部を返済する方法です。
繰り上げ返済には、2種類あります。
返済期間短縮型
・毎回の返済額はそのままで、返済期間を短くする
・利息軽減効果が高い
返済額軽減型
・返済期間は変わらずに、毎月の返済額を減らす
・利息軽減効果が低い
どちらを選ぶかは、家計の状況やライフプランに応じて検討しましょう。
「返済期間短縮型」:毎月の返済額に余裕があり早く完済したいという方におすすめ!
「返済額短縮型」 :ローン期間はそのままで良いけど毎月の返済額を減らしたいという方におすすめ!
繰り上げ返済の最適なタイミング
早ければ早いほど利息軽減効果が高い
繰り上げ返済は、元金が多く残っていて金利が高い方が利息額を軽減できます。
繰り上げ返済のタイミングや金額によってどれくらい利息を軽減できるかは、各金融機関のサイトでシミュレーションが可能です。
繰り上げ返済の注意点
繰り上げ返済は一時的にまとまった金額が必要となるため、家計への影響など注意点も理解した上で検討しましょう。
家計への影響を考えるポイント
・当面の生活費が手元に残せるか
・病気や怪我など、急な出費に対応できるか
・今後数年間で想定されるライフイベント(子どもの進学、車の買い替えなど)の資金が手元にあるか
住宅ローン控除のメリットと比較する
住宅ローン控除は、住宅ローン契約後10年間(または13年間)、毎年の住宅ローン残高の1%が所得税・住民税から一部控除される仕組みです。
住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済した場合、その分元金が減るため、住宅ローン控除によって節税できる金額が減ることがあります。
住宅ローン控除による節税額と、繰り上げ返済による利息軽減額を比較して検討しましょう。
手数料がかかる場合がある
繰り上げ返済する場合、金融機関によっては手数料がかかることがあります。
繰り上げ返済による利息軽減額よりも手数料の方が高い・・・ということにならないように、あらかじめ手数料を確認しましょう。
返済タイプや金額は金融機関、ローンの種類による
金融機関やローンの種類によっては「返済期間短縮型」が選択できなかったり、繰り上げ返済できる最低金額も異なります。
ご自身が契約している住宅ローンや金融機関が、繰り上げ返済についてどのように定めているかチェックしてみましょう。
まとめ
繰り上げ返済についてまとめると以下の通りです。
・「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類がある
・早ければ早いほど利息軽減効果が高い
・家計を圧迫しないか、住宅ローン控除と比較してメリットがあるかなど、注意点もよく理解する
・手数料や金額などは金融機関・ローンの種類によって異なるため確認が必要
繰り上げ返済をした方が良いかどうかは、それぞれの状況によって異なります。
貯金を全て繰り上げ返済に充ててしまって生活資金がない・・・ということになっては本末転倒です。
仕組みや注意点を理解した上で、ご自身の状況と照らして繰り上げ返済するかどうかを検討しましょう。