近年、よく耳にする「オール電化住宅」ですが、ガスを使わないため他の熱エネルギーよりも「安い」というイメージを持つ方が多いと思います。
実際のところ、オール電化住宅の光熱費はどのくらいかかるのでしょうか。
本記事では、オール電化住宅の光熱費についてガスと比較しながらみていきます。
光熱費は毎月の支出となるため、慎重に考えてみましょう。
オール電化とは?
オール電化住宅とは、調理や給湯、暖房といった家で使う熱エネルギーのすべてを、電気で賄っている住宅のことをいいます。
一般的には電気とガス(都市ガス・プロパンガス)を併用していることが多いですが、
オール電化住宅ではガスを使用せずに、お風呂やキッチン等すべてを電気エネルギーで対応します。
IHクッキングヒーターやエコキュートはオール電化住宅の代表です。
オール電化住宅のメリット
メリット
オール電化住宅にすることで以下のようなメリットがあります。
それぞれについて詳しくみていきましょう。
- 安全性が高い
- 光熱費の節約につながる
- 災害時の復旧が早い
- メンテナンスが簡単
安全性が高い
電気は安全性が高いエネルギーです。一酸化中毒やガス漏れの心配がなく、火災を防ぐことができます。
特に、子どもだけの留守番が多い家庭や、高齢者のご家族がいる家族にとっては一番のメリットではないでしょうか。
光熱費の節約につながる
ガスと電気を使用した場合、それぞれに基本料金が発生します。
一方オール電化住宅では電気の基本料金のみでよいため、余分な費用を削減できます。
電気会社によって異なりますが、オール電化住宅向けの料金プランは、夜間は安く昼間は高く設定されていることが多いです。昼間不在にすることが多い家庭にとって、オール電化の導入は光熱費の節約につながることでしょう。
逆に昼間家にいることが多い家庭にとっては、不向きである可能性があります。
生活スタイルと料金プランを吟味して検討することが大切です。
災害時の復旧が早い
電気はガスに比べて災害時の復旧が早い傾向にあります。
実際に2011年の東日本大震災で、電気の復旧は1週間程度だったことに対して、ガスの復旧は5週間程かかりました。
2016年の熊本地震の時は、電気の復旧が1週間程度のところ、ガスの復旧は約2週間かかったと報告されています。
メンテナンスが簡単
例えば、IHクッキングヒーターは平らな造りになっているため、飛び散った油などの汚れを簡単に掃除することが出来ます。
こんな方におすすめ
オール電化の導入が光熱費節約につながるかどうかは、住む人の暮らし方によって異なります。
- 安全を第一に考えたい方
- 基本料金をひとつにまとめて節約につなげたい方
- 昼間不在にすることが多い家庭
- 掃除時間を節約したい方
このような家庭にオール電化住宅はおすすめです。
オール電化のイニシャルコストとランニングコスト
オール電化の費用には、導入時にかかるイニシャルコストと月々かかるランニングコストの2つの費用があります。
それぞれの費用について、ガスと比較しつつ詳しくみていきましょう。
オール電化住宅のイニシャルコストはどのくらい?
イニシャルコストとは初期費用のことで、システムなどを導入する時に初回1度だけかかる費用です。
住宅をオール電化にする際、IHクッキングヒーターとエコキュート(給湯機器)を取り付けるケースが多いため、今回はこの2つを取り入れる時の初期費用を例に説明していきます。
オール電化住宅のイニシャルコスト
IHクッキングヒーターを設置するには約10万円~ 20万円、エコキュートの設置には約50万~70万円の費用がかかります。一般的にオール電化住宅の初期費用は60万~100万円が相場となります。
ガスのイニシャルコスト
一方ガスは、プロパンガスの場合、自宅の敷地内へガスの配管を引き込む工事が必要になります。
住宅の規模によって異なりますが、一般的に工事は約15万円の費用がかかります。
ですが、月々の使用料でその費用を支払っていく場合が多いので、初期費用はほとんどかかりません。
そのため、イニシャルコストを抑えたい方はガスを使用したほうが良いでしょう。
オール電化住宅のランニングコストはどのくらい?
ランニングコストは月額費用などの定期的にかかる費用のことです。
ここでは光熱費について、4人家族を例にみていきます。
オール電化住宅の光熱費
電力会社によって違いがありますが、オール電化住宅の平均的な月々の光熱費は、
約15,000円前後(4人家族)といわれています。
当然にガス代は一切かからないため電気代のみの内訳となります。
ガスと併用した時の光熱費
一方、ガスと併用した際の光熱費はどのくらいかかるのでしょうか。
ガスは、都市ガスとプロパンガスで費用が変わってきますが、ガスと併用した場合の月々の光熱費は、約18,000円前後(4人家族)であるといわれています。
まとめ
本日はオール電化住宅の光熱費に焦点を当ててご紹介しました。
住人のライフスタイルによって、光熱費は変わります。
オール電化住宅の導入を考える際は、家族のライフスタイルを考慮して、慎重に検討していくことが大切です。
分からないことがあれば、専門家に相談することもおすすめです。