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Stones coffee【コーヒー焙煎所】 2023

伊達郡桑折町にある石材加工所のリノベーションを手掛けました。

リノベーション後はコーヒーの焙煎所として活用される予定です。

 

福島県では近年大きな地震が続き、県内の建物は耐震の不安が拭えないでいます。

そんな中、お話を頂いたこちらの石材加工所も同じような悩みや不安を抱えておりました。

趣のある石蔵を次の世代に繋いでいくためにアーキトリップではなにができるかを考え設計させて頂きました。

 

石の持つ強さを活かす

元々の建物構造としては、石造の上に木造の梁組があるような形になっていました。

リノベーション(耐震補強)をするにあたり、元の石蔵の持つ力強さや趣を崩さないように注意を払い木造軸組を既存建物に加えていきました。

 

耐震とデザインを同時に設計する

石造と木造とはでは別の素材であるがゆえに耐震的にはどうしても不安な部分がありました。

今回は建物の補強も兼ね、木造と石造を切り離した構造とすることで地震の揺れに耐えうるよう設計致しました。

 

既存時の様子

最初に現調に訪れたときには、
長い年月ここで石材加工をしていた名残がありました。

 

改修ポイント

元々は石を運ぶ為にフォークリフトが出入りできるシャッターがあったのですが、

本改修を機に外からでも内部の雰囲気がわかるように大きな窓を設けました。

 

改修ポイント

梁組は元の躯体を残し、リノベーションならではの雰囲気を感じられます。

屋根はトタンが劣化しており断熱性もなかったため、改修し屋根断熱を施工しました。

 

 

店舗づくりの旅路

この店舗が完成するまでのストーリーをお施主様に伺ってみました。

Q1.店舗づくりのきっかけを教えてください。

 石材加工所として五代続いていた場所でしたが、父親の代で廃業することとなり更地にする予定でした。

代々受け継いだ土地を何か別な形で残せないか?

と考え店舗としての利用を考えるようになりました。

 

Q2.どんな場所にしたかったですか?

誰でも気軽にコーヒーを楽しめて、来てくれた人が心身ともに落ち着ける場所にしたいと思っています。

ストレスの緩和や身体のリラックスなど人の健康を支える仕事に携わっていたので、
将来的にはコーヒー以外にも人の健康に関われる発信も出来たらいいな、と考えてます。

 

Q3どんなことから店舗づくりをスタートしたか教えてください

まずは趣味として行っていた珈琲焙煎を現実的に商品化していく意識と、
店のコンセプトや宣伝方法の考案などから初めました。

Q4. アーキトリップにご依頼いただいた経緯や決め手があれば教えてください

他の設計事務所では既存建物を残すための設計への理解が低く、希望はかないませんでした。

アーキトリップさんではこちらの想いを汲んだ設計と正直なアドバイスも頂けたことが、

信頼につながり依頼の決め手となりました。 

 

Q5.店舗づくりの際にこだわったポイントを教えてください

もともとが石材加工所だったので、埃っぽく日の光が少ない場所でした。 

光を取り入れ明るい場所にしたく思い、窓は大きく透明性があるよう設計してもらいました。

また、築年数が古いことから耐震構造にもこだわり、デザイン性と耐震性を両立できるように考えて頂きました。

 

Q7.設計中、工事中に大変だったことはありますか?

当初予定していなかった設備工事の追加や業務でガスを扱うこともあり、

複数の業者さんとのスケジュール調整が大変でした。

アーキトリップさんにはその一部を担っていただいたこともあり、その際はとても助かりました。

Data

  • 構造石造+木造
  • 延床面積75.64㎡
  • 竣工2023年5月
  • 設計アーキトリップ/桑名翔太+平岡諒太
  • 施工アーキトリップ