うごく暖簾でつくる施術空間
神奈川県藤沢市で整体院の内装設計を手掛けました。
落ち着きのある施術空間をつくるために、壁面の窓や設備、水回りスペースを覆う、うごく暖簾(暖簾をモチーフにした可動式スクリーン)をご提案しました。
お店づくりの旅路
お店が出来上がるまでの旅路をお施主様に聞いてみました。
長文になりますが、お店づくりに役立つ情報も多いので、お時間のある方は是非ご覧ください。
Q1.お店づくりのきっかけを教えてください。
神奈川県藤沢市の整骨院で院長として6年間働きました。
多くの患者様の施術を行う中で、私自身のやりたい事や軸というものが明確にイメージできるようになってきたので、開院しようと決めました。
Q2、お店づくりはどのようなことから始めましたか?
まずは開院するにあたり、目的や想いを明確にしました。
その中で開院するのに相応しい物件を探し、アーキトリップに内装設計の相談をしました。
私の理想のイメージを具体的に伝えるために、写真を送ったり、どのような店舗にしたいかということをお話ししました。
雑談も含め、色々とお話ししたことで、私の店舗への想いを汲んだ提案をしてもらえたことがよかったと思います。
Q3、アーキトリップに依頼した経緯や決め手は何ですか?
アーキトリップのメンバーと同じ大学に通っていたという事がきっかけです。
学生当時から建築に対する強い想いや熱量というものを感じていて、卒業後も変わらず頑張っている姿をみて、迷わずお願いしたいなと思いました。
また、私が以前勤めていた整骨院にお客様としてメンバーの平岡さんが通ってくれていた、という経緯もあります。
Q4、こだわりのポイントを教えてください。
- うごく暖簾
- 和モダンでシンプルな空間
- 滑りにくい床材
うごく暖簾
暖簾を閉じると窓や設備、水回りスペースなどの雑多な空間を遮断してくれ、柔らかい雰囲気の施術空間をつくってくれます。
暖簾を開けると後ろのスペースで歩行指導や階段昇降の確認ができます。
暖簾が”うごく”ことで様々な状況に柔軟に対応する場所をつくれるところが気に入っています。
和モダンでシンプルな空間
院内は和モダンでシンプルな空間にしたいとお願いしていました。
そのため暖簾をモチーフにしたスクリーンやシンプルな色味のインテリア空間を提案してくれたのだと思います。
院内に置く家具も平岡さんと一緒に家具屋に行き、実物を見ながら空間とのバランスを考え選びました。
滑りにくい床材
施術の際に患部へ力を効果的に伝えるためには足の踏ん張りが重要です。
そのため滑りにくい素材の床にしたく、色々とサンプルを頼んで検証しました。
最終的には、摩擦面が大きく足触りの良いビニル織物床タイルにしました。
一般的な長尺シートより金額は少し高くなりましたが、施術のクオリティをあげるためにもこだわってよかったです。
Q5、設計中、工事中に大変だったことはありますか?
楽しさの方がまさって大変という感覚はあまりありませんでした。
設計中は、どのような床材にするか、壁材にするか、うごく暖簾の木枠の色味をどうするか、などなど。平岡さんが提案してくれる内容が私のイメージとドンピシャで決定は早かった気がします。
工事中は、毎日のように現場に通い、日に日に完成していく様子を体感できたことがよかったです。
予算を抑えつつも良いものを作りたかったので、うごく暖簾は平岡さんと(DIY)で製作しました。
空間の要となる部分であったので色々と試行錯誤をし、うまく出来上がった瞬間はものすごくテンションが上がりました。
Q6、実際に形になってみての感想をお聞かせください。
店舗名の「ITTE」という名前には、究極「一手」でよくする。ほんの小さなきっかけで人生は一変していく、そんなきっかけになるような「一手」でありたい。という想いを込めています。
うごく暖簾は「一手」という言葉の想いをデザインとして汲み取り、建築的なアプローチの最小の「一手」で最大の効果を得られるようにと、私の想いを形にしてくれた提案です。
自分の想いが形になっていく様子を間近で見ることができ、そして想い以上の仕上がりにとても感動しています。
本当にアーキトリップにお願いをしてよかったです。
写真 : (1〜11枚目) 矢野紀行 、写真 : (12枚目) アーキトリップ
Data
- 構造テナント
- 間取り1R
- 敷地面積-
- 建築面積-
- 延床面積24.97㎡
- 竣工2021年6月
- 設計アーキトリップ / 平岡諒太
- 施工有限会社 大倉建築